エフェクターの話をしよう

ラッコ(twitter ID:rakko_lau)がエフェクターのレビューやらをするブログです。コメント等はお気軽にどうぞ。

BJFE / Aqua Marine Wonder Machine

 こんにちは、あるいはこんばんは。
 早速ですが今回のレビューはBJFEのペダルです。

 BJFEとは?という人もいると思いますので軽めに説明しますと、Bjorn Juhl(ビヨン・ユール)というスウェーデン出身のビルダーさんによるエフェクターブランドです。このBjorn Juhl氏、略されてBJFなどと呼ばれる事が多いのですが、多分現代のエフェクター界においては伝説級のビルダーでして。氏の設計したペダルが色んなブランド(Mad professorやBearfoot、One Control)から出ていて、誰しも一度くらいは氏の手掛けたペダルを見た事があるのではないでしょうか。特にHoneyBee ODとかその派生になるSweet Honey Overdriveとかが有名ですかね。

 そんなBJFEのペダルですが、Bjorn Juhl氏が多忙を極める上、ハンドメイドのエフェクターなので、生産数も多くなく、比較的流通数の多いモデルというのはありますが、基本的には希少です。自分も実機をお目にかかる機会がなかったわけではないですが、希少性などもあり、店頭で値段見てうひゃぁ...みたいな感じの価格なので手を出すことはありませんでした。

 ですが、なんと今回ご縁がありまして、かなり良心的な価格でBJFEのペダルを手にすることが出来ました。そうした理由で、このペダルのレビューをしようと思います。

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 このペダル、Aqua Marine Wonder Machineと言います(文字数が嵩むので以下AMWMと表記します)。Mad ProfessorのSky Blue Overdrive(以下SBOD)の原型の一つ、とも言われるペダルです。

 実は前オーナーの方が、同じAMWMの4k(4ノブ)モデルを手に入れて、こちらは放出するとのことで、僕が譲っていただいたのですが、こちらは5k(5ノブ)モデルです。

 ちなみにSky Blue Overdriveの原型とは言いましたが、音の説明の上ではあまり関係ない感じもありまして、ものすごく大きい括りで見ると、トランスペアレント系に近しいサウンドのように思います。ヴィンテージ感のあるトランスペアレント系といいますか...。

 ノブのコントロールはV、D、X、T、Zという5つありまして、VはVolume、DはDrive、TはSBODと同じならTextureでしょうか(もしくはTone、Trebleの可能性もありますが)。 Driveの範囲は絞り切ると音が出なくなり、上げていくと音量と歪み量が増えていきますが、最大まで上げても使いづらいことのないODらしい範囲、Volumeも結構幅が広く取られていて、最大まであげると結構大きくなります。使い方にもよりますが、自分は11時くらいでいいかなと思いました。(音量的にはVolumeとDrive両方10時くらいでオフ時の音量と体感で同じくらいかなという印象)

 Tノブは上げ切るとハイがかなり強く出ますが、それでも耳に極端に痛い音にならない、絶妙なチューニングでした。

 XとZに関しては何を示しているかは不明なのですが、Zがインプットインピーダンス周りの調整、Xはローミッド辺りの調整に関わっているようです。Zはかなり特徴的なコントロールで、インプットインピーダンスの調整に際してローエンドを中心に音全体を微調整するような動きをします。ただ、本当に微調整という感じでもあるのか、自分はいじってもそこまでよくわからない感じもありました...。(インピーダンス関係の調整のためか、前段にバッファ等が繋がっていると効果が感じにくい場合もあるそう)

 Xノブはギターの場合、実質ここがBassコントロールと言っていいような帯域を調整出来ます。ギターで美味しいローミッドを操れる感じです。個人的にはここを足していくとコンボアンプ的な箱鳴り感が付加される感じがしたので、うまく調整してあげると良さそうだと感じました。

 ちなみに4ノブモデルもオーナーの方のご厚意で少しだけ弾かせてもらったのですが、こちらの方はV、D、T、Bというノブ構成で、Bがローエンドのコントロールだったので、素直にVolume、Drive、Treble、Bassの構成だったようです。

 4ノブ、5ノブで音に関しては大きな違いは感じませんでしたが、全体的に4ノブの方が音作りがしやすい感じでより便利な印象がしましたね。

 総評すると、とにかく使いやすい、トランスペアレント系ODという感じなのですが、それでいて他にない雰囲気があったり、デッドポイントがないチューニングなど、評価が高いのも肯けるペダルだと思いました。もし機会があったら試してみて欲しいです。値段が相当にするので、是非買ってくださいとは言いづらいですけども、触れてどういうものか知るだけでも価値はあるかなと思います。

 

おまけ

 後から知ったのですが、どうやらワンオフ品や記念モデルに次いで希少なモデルらしいです。BJFEも含めレアなペダルに詳しい、CULTの細川さんによる記述では、現在ほとんど流通がなく、数年に1台取引があるかどうか...らしいとか。(しかも新品だと10万近い値が付くらしい)


追記:Pedal shop CULTさんにて過去扱われた中古のAMWMの4kは、私が弾かせてもらった個体にあったBノブがなく、代わりにRノブがあったようです。どうも内容的には5kやSBODのZノブと同じような効果のコントロールだったようですね...。(そちらはまだ商品ページ自体残ってるのでそちらを参照ください)