DEATH BY AUDIO × LEVITATION / SPEED TRIPPER
こんにちは。今回は国内流通のない限定ペダルの話をします。DEATH BY AUDIOのSPEED TRIPPERというペダルです。
DEATH BY AUDIOが米国のオースティンで開催されているLAVITATIONという音楽フェスとのコラボで、昨年666台限定でリリースしたものになります。(過去にもコラボしていて今回が2回目らしいです)
内容としては、ディレイのフィードバックにオプティカルフェイザーの回路を追加したペダルです。ディレイのフィードバックの音がフェイザーで揺らいだ音になります。
DBAのレギュラーモデルのMicro Dreamがベースになっているみたいですね。
余談になりますが、Micro Dreamも中々良いペダルでして、変わった設計をしている関係でディレイを長くすると独特なノイジーさと揺らぎがあったりするのと、DELAYコントロールで音量を調整出来るので発振させた音を大きくせずに後ろでずーっと鳴らすようなことも出来たりしてシンプルながら楽しいペダルだったりします。
そんなMicro Dreamにフェイザー回路を足したのがこのSPEED TRIPPERなのですが、かなり面白いペダルです。
コントロールはdelay time、feedback、tripper speed、intensityと内部にトリマでblendがあります。
本体の左側2つがディレイ部のコントロールで、右側2つがフェイザー部のコントロールになっています。
ディレイ側のコントロールは大体のディレイにあるコントロールですね。delay timeの幅は約30ms〜約1100msとなっています。
feedbackはディレイのフィードバック量を決めるパラメータですね。intensityと相互作用のある物となっています。
続いてフェイザー側ですが、tripper speedは一般的なモジュレーション系ペダルのrateコントロールと同じです。上げていくとワブルっぽい感じに、下げると穏やかな揺れになります。
intensityはフェイザーの掛かり具合に影響するコントロールです。左に回し切るとフェイザーのかからない、シンプルなディレイになります。逆に右に開き切るとかなり強くフェイザーがかかります。ディレイ側の設定に加えてこちらの設定によってもディレイの発振し始めるポイントが変わります。どうやらディレイのウェット信号をフェイザー回路に通す割合を決めるコントロールのようです。
また、内部のblendコントロールはいわゆるウェットの音量を上げ下げ出来るものとなっています。
※一応DBAの公式にペダルの概要が書いてあるページがありますので、そちらのリンクも貼っておきます。英語読める人はそちらを読んだ方がわかりやすいかもしれません。
https://deathbyaudio.com/pages/speed-tripper
実際に音を出した感想としては、ものすごく出せる音が広いモジュレーションディレイだと感じました。フェイザー側のコントロールを控えめにすれば普通に雰囲気あるモジュレーションディレイとしても使えますし、過激な設定をすれば相当に尖った飛び道具のようにも扱えます。そこはDBAのペダルらしい感じですね。
注意すべき点としては、ディレイのリピートをフェイズさせた音を出す都合上、高い周波数帯の成分が強く出る傾向にあり、大きいアンプで鳴らすと尚更に高域がよく出るので、設定次第ですがやや耳に痛い音になることがあります。それこそ発振させると耳に突き刺さるような音が出ることもあったので、設定は少し慎重に行うのが良さそうです。
このペダル、他にも明確な難点があります。回路の設計に由来した物かと思われますが、電源投入後の最初にスイッチを踏んだ際に結構なポップノイズが出る事と、パラメーターを全開にすると信号漏れが起きているのかわかりませんが、ギターを弾かずともフェイザーのしゅわしゅわした音がバックで鳴り続ける事があります。そういう所でちょっと大味なペダルでもありますね。ただ、個人的には非常に面白いペダルだと思っています。音も良いですし。弱点もありますがオンリーワンなタイプのペダルじゃないかと。
2022年2月10日時点ではまだLevitationのサイトにて購入が出来るようです。英語サイトにはなりますが、住所とかをちゃんと英語圏向けに入力すれば日本からでも買えます。666台限定、再生産もないようなので気になった方は是非。(値段は本体269ドル、今のレートで本体3万1000円ちょっとなので送料入れると35000〜36000円くらいでしょうか)
https://levitation.fm/products/death-by-audio-speed-tripper-feedback-phasing-delay-pedal
それではまた次の記事で。