エフェクターの話をしよう

ラッコ(twitter ID:rakko_lau)がエフェクターのレビューやらをするブログです。コメント等はお気軽にどうぞ。

umbrella company / #24

こんにちは、お久しぶりです。
 今回はumbrella companyが昨年リリースしたディストーション #24についてです。

 umbrella companyは音響・楽器製品の輸入と販売がメインの会社で、国外の色々な音響機器、エフェクターはもちろん、ラック系の機材などを取り扱う代理店としてご存じの方が多いかと思います。
 主な取り扱いブランドでいうと、empress effectsとかDEATH BY AUDIOとか、近年だとChase bliss audioとか。ラック系はGRACE design、FMR Auidodなどでしょうか。多種多様な音響機器・楽器を扱っているので、エフェクターやレコーディング機器を買う上でお世話になっている人も多いのではないかと思います。
 そんなumbrella companyですが、実は自社製品も開発しておりまして。当初はヘッドホン用のバッファアンプとかスタジオ向けのフェーダーコントローラーといった物が中心だったのですが、2018年末に発売されたオーバードライブ「Hitchhike Drive」を皮切りにギター用のエフェクターも開発、発表しています。
 
 そんなumbrella companyから昨年リリースされたのが#24です。リリース当時ギタリストのAssHさんによる演奏・レビュー動画がギターマガジンのYoutubeで公開されたりもして話題になったりしましたね。


www.youtube.com


 
 正直これを見てしまうと自分があれこれ書くことあるのだろうかと思わなくもないのですが、ここから自分なりに色々書いていこうかと。
 
 まずコントロールは4ノブ+3wayのトグルが2つですね。ノブのうち3つはVolume、Gain、Toneなのでさほど言及する事はないでしょう。残りのXノブが特徴的なコントロールで音圧感と言いますか、低域の量感をコントロール出来るようになっています。上げていくと、音の壁感を作ったりも出来る感じですね。
 仕組み的にはギターアンプのローのギリギリの所を狙ってブーストして、音色への影響を抑えつつ圧を上げる感じのコントロールだそう。また、自分はまだ触っていませんが内部のトリマで全体的に控えめにすることも、さらに上げる事も可能みたいです。

 トグルの方は右がChannel、左がDensityとなっています。Channelはゲインレンジの切り替え、Densityは音の密度のコントロールです。

 Channelスイッチは左からLead、Normal、Crunchとなっています。
 Leadは王道のディストーションサウンド、という感じですね。音の早さとスムーズさを兼ね備えていて、リードサウンドに限らずバッキングもいける感じです。
 Normalはこのペダルにおいて一番ローゲインなモードで、ほぼオーバードライブの範疇の音になります。プリアンプ的に使ったり、キャラクターを足すブースターとしても使えそうです。
 最後にCrunchですが、こちらはゲインレンジでいうとLeadとNormalの中間という感じで、ゲインを下げていけばオーバードライブ的にも、上げていけばディストーションにも出来るモードです。プリブーストの段階でトレブルブーストをしているそうで、歪みの深さを保ちつつ、低域が潰れすぎないようにしてあるとのこと(説明書より)。
 
 Densityスイッチは真ん中がOff、右がHigh-midモード、左がLow-midモードとなっています。音の密度をどこに寄せるか、という感じのコントロールになるんですが、High-midの方では音の分離と明瞭感が増す感じで、Low-midの方にすると太さと重さが増すという感じですね。トーンの切り替えみたいな感じが近いかも。
 仕組みとしてはエンベロープやら色々な処理を通して、音の密度を変化させるような事をしているとのことです。

 他に内部のトリマで、前述のXノブの効果量の調節をするものと、プリブーストセクションの感度を調整する物がついています。使うギターや、前段に置くペダルによっては感度調整のノブをいじったり、使うアンプによってはXノブの効果量をいじったりするのが良さそうですが、単体で使う分にはあまり気にしなくても良いのかなとも思います。


 音の傾向としては、おおよそマーシャル系の歪みという感じがしますね。実に王道といいますか、どんな場面でも比較的使いやすい音だと思います。
 
 総評になりますが、非常に扱いやすいディストーションだと思います。とても優等生といいますか、使う人の使い方に合わせて細かく調整が出来るので、バンドなどを掛け持ちする人などにはすごく良さそうです。特に大学のサークルとかそういうので色々やる人とかには便利なんじゃないかと思います。さすがにフェンダー系の音まで出せるという事はないですが、マーシャル系の音の範疇での守備範囲は非常に広いと思います。

 個人的にはCrunchモードでゲインちょっと下げた状態の鋭さのある歪み方が好きですね。ディストーションでやることじゃない気はしますが...。
 どのモードにしてもギターのボリュームへの反応が良いので、ギターの方を絞ればLeadモードでもミッドゲインからハイゲインのオーバードライブくらいまではゲインを落とせるので、そういう点でも扱いやすいように感じます。
 値段も2万円台半ばと、昨今のブティックエフェクター等と比べれば手を出しやすいペダルだと思うので、是非一度試してもらいたいです。

それではまた。